Netflixで人気ランキング上位を走る『サラ・キムという女』。物語後半で圧巻なのが、警察署の取調室で繰り広げられるサラ・キム(シン・ヘソン)と刑事パク・ムギョン(イ・ジュニョク)の心理戦だ。
重要容疑者として指名手配を進めていた最中、サラ・キム本人が自ら警察署に出頭するという衝撃展開。ここから2人の本当の勝負が始まる。
ムギョンは彼女の正体を見抜いたという確信を胸に尋問を開始するが、サラは一切の隙を見せない。鋭い質問にも理路整然と答え、罠を仕掛けられても冷静さを失わない姿は圧倒的だ。
演出も秀逸で、目元や口元のクローズアップが緊張感を極限まで高める。言葉以上に視線が語る、息詰まる攻防が続く。
取調べはサラのペースで進むかに見えた。しかし、警察が公表していない「被害者の凍死」を彼女が知っていたことが判明し、状況は一変する。この一点が決定打となり、ついに逮捕へと至る。
逮捕の場面でも動じないサラは、「詐欺師は専門知識を持つ人間を狙う」と語る。自分は騙されないと信じる強いプライドこそが標的になるのだと断言する姿は、彼女の頭脳明晰さと危うさを同時に感じさせる。
どれほど完璧に見える理論武装にも、必ず綻びはある。ムギョンはその一点を信じ、決して諦めない。
実力派俳優2人の真っ向勝負が生み出す緊迫感は、本作屈指の名場面。後半に入り、物語はさらにスリリングに加速していく。